新潟県の旧白根市(現在は新潟市)」は「洋梨のル・レクチェや巨峰」などの果樹栽培が盛んな地域です。

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果樹の郷、新潟県旧白根市
 新潟県新潟市南区の旧白根市は、
信濃川と中之口川の間の標高1mから5m程度の中州に発展してきた町で、
2005年3月21日に新潟市に編入されました。
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慶長3年(1598年、年表はこちら)に新発田藩に組み入れらた江戸時代以降、
白根では仏壇や繊維産業などが発達し、
その後の大正13年に大河津分水完成後した後は、沼のような田んぼから解放され
農業が大発展を遂げたそうです。
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白根地区は、現在では新潟コシヒカリ、野菜とともに巨峰等果樹栽培がとても盛んな地域で、
特にフランス原産の西洋梨"ル・レクチェ"の産地として全国区の町。
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このページでは、新潟市南区(旧白根市)在住の篤農家
滝沢 直紀氏の果樹園で撮影させていただいた写真を掲載しています。
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白根地区の滝沢氏は現在、葡萄(ブドウ)で、デラウェアや巨峰、ピオーネ、サニールージュ
梨(ナシ)では、ル・レクチェ、豊水、新興
稲(イネ)では、新潟コシヒカリBL(オリジナルコシヒカリ)、コシイブキ
等を栽培しています。
滝沢氏
滝沢 直紀氏(滝沢農園ホームページはこちら)
下の写真は、平成21年11月26日 撮影
ルレクチェ酒 ル・レクチェ酒の仕込み完了。
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 大量に戴いた滝沢農園のルレクチェを、
左はブランデー、右は焼酎1.8Lで仕込み、氷砂糖200g、ルレクチェは約1kg。
 3年は寝かせたいのですが、味見のし過ぎでなくならなければいいですが...
下の写真は、平成21年5月14日 旧白根市滝沢農園で撮影
開花した巨峰
巨峰の開花
巨峰の開花
 左は、新潟市南区の旧白根市の滝沢農園で撮影させてもらった巨峰ル・レクチェの写真。
 ビニールハウス内の巨峰がほぼ満開。
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 一番上の写真は、満開の巨峰。一月前と違い、自重で垂れ下がっており、茶色いのは、腐ってきたキャップ。
 もったいない気がしますが、この後、消費者の好みや箱サイズに合わせるため28粒から32粒、350〜400g位になるよう摘果(摘粒)します。
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二番目は、開花しつつある巨峰の拡大写真。
 ブドウの花びら(花弁)は、梨(ナシ)等のような一般的な花と異なり、先端で緑色の花びら(5枚が多い)がくっついて、これをキャップといいます。
 ぶどうの開花は、付け根の方から裂け、雄しべの成長につれてキャップが脱げていきます。
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三番目の写真は、開花前の巨峰の蕾(中央上、花蕾(からい))と開花してキャップが広がっている状態(中央右)、そしてキャップが完全に脱落した雄しべ5本と雌しべ(子房、中央左下)。
 この子房が成長して巨峰の粒になります。
子房が育ったルレクチェ 左は、成長しつつあるル・レクチェの子房(実)。
下の写真は、平成21年4月20日 旧白根市滝沢農園で撮影
ル レクチェ
ルレクチェの蕾
ルレクチェの花

ル・レクチェの雄しべと雌しべ
ル・レクチェの花
新興の花
 左の写真は、高級洋梨として有名なル・レクチェの花。
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 満開の一歩手前のル・レクチェのかわいらしい蕾。
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 西洋梨のル レクチェも、同じバラ科のリンゴやサクランボ等と同様に自家不和合性という性質があり、やや離れた種類のナシの花粉が飛んでこないと結実しない種類だそうです。
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 そこで滝沢農園では、新興という種類の和梨の花粉を予め採取しておいてル・レクチェに人工授粉します。
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 ル レクチェは、二十世紀梨やラフランスの花粉でも結実するそうです。また、それらの実の形や味は花粉の種類を問わず大きな違いはないそうです。
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 とても大変な人工授粉。
 ミツバチに受粉させたいところですが、サクランボと違いルレクチェの蜜はミツバチの好みではないそうです。また気温の変動で、ル・レクチェや新興の開花時とミツバチの活動時期が一致しなければ、受粉率が下がってしまいます。
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 なお、同じバラ科でも、ユスラウメは自家受粉します。 
 梨やバラ科の多くは花びら(花弁)が5枚あり、ル・レクチェも同様で花弁の数は5枚。
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 めしべ(左の写真の黄色い軸)は五本、おしべは多数。
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 左の拡大写真の雄しべ5本には、まだ赤い葯(やく)が残っており、この葯殻が取れて花粉が顔を出します。
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 この自家受粉しない性質(自家不和合性)が植物の多様性の生みだしており、人工か自然かは別として、そのお陰で様々な品種が生まれ、私達がル レクチェや新興、20世紀といった様々な梨を食べることができます。
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 これとは逆に、自家受粉するナシと同じバラ科のユスラウメは簡単に結実しますが、美味しい味であるとは言い難く、自家受粉するがために、かえって品種改良が進まずいたものと考えられます。
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 一番下は新興の花の写真。
 花びらには、ルレクチェの花びらよりややちぢれが多く、ル・レクチェより雄しべと雌しべが短いようです。
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 ル レクチェの受粉用にのみ栽培しているのではなく、新興の果実は保存性が大変良く、お正月どころか春先まで美味しく食べることができる茶系の梨です。
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(撮影地)、新潟県新潟市南区旧白根市滝沢農園
巨峰
巨峰
 左の写真は巨峰を棚の上から撮影した写真です。
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 ブドウの花も、房と同じように下向きに咲いているものと思っていましたが、他の植物同様に太陽に向かって伸びていました。
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 まだ花芽(多数の蕾が房状に寄り集まっている状態=総状花序)ですが、成長するにつれて重くなり徐々に垂れ下がってきます。
 一つ一つの花は5枚程度の花びら(花弁)を持っているそうです。
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 巨峰の花は、甘ーい香をハウスいっぱいに放ちながら5月10日頃に開花するそうです。
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(撮影地)、新潟県新潟市南区旧白根市滝沢農園
デラウェア
デラウェア
サニールージュ
 左は、デラウェアを棚の上から撮影した写真です。
 撮影したのは、上のル・レクチェ巨峰と同じ平成21年4月20日
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 真ん中の写真は種なしブドウで有名な"デラウェア"の花芽。
 暖かいハウスの中で、丹精込めて栽培されています。
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 一番下の写真は、"サニールージュ"というぶどうの花芽。
 "サニールージュ"は1997年に命名されたブドウで、別名「赤い新星」。
 "デラウェア"よりも粒の大きなルビーのような赤い実をつけ、ジベレリン処理を行った種なしブドウでもあるので筆者のような横着者にオススメ。
 甘くて香高いブドウです。
下の写真は、平成20年6月18日旧白根市滝沢農園で撮影
デラウェア  左の写真は、種なしブドウの代表格デラウェア
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 元来、デラウェアは種なし葡萄なのではなく、ジベレリン処理を行って種なしで大きな実に育てます。
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 なお、ジベレリンは、植物の成長ホルモンの一種ですが、1928年にイネの馬鹿苗病の研究に携わっていた台湾総督府農事試験場の日本人研究者に発見された物質でそうです
ハウス栽培のデラウェア  無数のデラウェアの房!
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 デラウェア一房ずつ丁寧にジベレリン溶液に浸したり、摘果したりでとても手間がかかるそうです。想像するだけでも腕がだるくなってきそうです。
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 因みに、このデラウェア巨峰などの葡萄は、ヨーロッパ系のブドウをアメリカや日本で品種改良したもので、自生するノブドウとは属が異なっているそうです。
ル・レクチェ  袋がけされているのは旧白根市の特産洋梨"ルレクチェ"
 完熟した"ルレクチェ"と同じ色の袋が鮮やかでした。
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 袋がけは、病害虫を防いだり、枝等と擦れ合って痛むの防ぐための作業。
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 写真中央に写っているのがまだ未熟な"ピオーネ"。
 巨峰マスカットを交配させた品種で、"種なし"の上、爽やかな甘さが筆者には大のお気に入り。
葡萄の王様 「巨峰」  左の写真は、葡萄の王様と言われている"巨峰"です。大きな粒と濃厚な甘みが特徴です。
 この後、袋がけが行われます。
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 戦前に伊豆地方で市井の葡萄学者が、日本の品種とオーストラリアの巨大粒品種を交配。

 "巨峰"は滝沢氏の最も得意とする品種です。
 聞くところによると、JAみらいの白根果樹部会が主催する優良出荷者への表彰で、何度も最優秀賞を受賞しているそうです。
梨棚の下 不思議な幾何学模様  梨棚の下の、巨峰の陰。
旧 月潟村の類産梨  「月潟(つきがた)の
     類産(るいさん)梨」

 国指定天然記念物(昭和16年11月13日指定)
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白根地区に隣接する旧新潟県西蒲原郡月潟村大別当の道路脇に他の品種と共に栽培。
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 因みに、ルレクチェ豊水類産梨などの梨(ナシ)も、リンゴやサクランボと同じバラ科の植物。
旧 月潟村の類産梨  文化年間は、西暦1804〜1817(年表はこちら)ですので、類産梨の樹齢はおよそ200歳。100kg程の実を付けるそうです。
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 江戸時代以前の白根地域では排水が悪くて稲作には適さず、先人達が送った苦難の日々。
 その涙と汗の結晶が、巨峰やルレクチエ等の果樹として、現在の白根に根付いてます。
     類産梨の地図

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